" 鹿児島で活躍する職業人(リアルしごとびと)と対話し、今後の進路選択を考える "
「しごとびと」ウェブサイト開設記念イベント第2弾としまして2014年3月22日、「リアルしごとびと」を開催しました。当日は40名程度の皆様に参加していただき、「職業から進路選択を考える」をテーマに鹿児島の第一線で活躍する職業人(リアルしごとびと)8名をお招きして、中・高・大学生やその保護者の皆さんと(1)基調講演、(2)パネルディスカッション、(3)対話の時間を実施しました。
イベント主旨説明
しごとびと編集部より今回のイベントの主旨説明を行いました。詳しい内容は「イベント主旨説明」の動画をご覧ください。
基調講演/職業選択の視点からみた進路選択
社会から大学に求められる機能や素養が変化する中で、大学受験がどのように推移し、これからどういった能力が求められるか。株式会社ベネッセコーポレーション 劉 耕助 氏をお招きして「職業選択の視点からみた進路選択」と題しまして基調講演を行っていただきました。
株式会社ベネッセコーポレーション
劉 耕助 氏
コメント
困難な社会に立ち向かう為に、視野を広く持ち、様々な年代(国籍)の人たちに積極的に関わり自分の軸を固めていってほしい。そして未来のしごとびとである皆さんと今のしごとびとである私たちで日本を、鹿児島を盛り上げていきたい。
«要旨»
グローバル化の進展とともに社会のニーズが変化し、就職・採用活動における企業が学生に求める能力や素養も変化してきた。学生の多くが専門知識や語学力、PCスキルなどが自分たちに求められていると考えるのに対し、企業側は主体性、コミュニケーション能力をより強く求め始めている。さらに大学教育や大学入試も変化をみせている。従来の講義中心であった知識伝達型から、プレゼンテーション、グループでの調査学習、討論・ディベートなど主体性、社会性の育成の学びを取り入れ始めた。大学入試にもこの姿勢は社会論的な評論文の出題や、人物評価を主体とする面接やAO入試などで色濃く反映されている。一方、中学生、高校生の側では、学齢とともに、なりたい職業を挙げられない生徒が増加し、また、イメージしやすい職業が上位にランキングされる調査結果もある。自分の興味ややりたいことだけで進路を考える傾向にある。自ら課題を発見して、解決へと試行錯誤し、社会的な貢献も視野に入れた主体的な学習ができていないのが現状である。もっと主体的に世の中のできごとを知り、社会との関わりを増やし、仕事や職業についても知る機会をつくるべきである。それは進路選択の土台となる背景知識や教養を身につけることを意味する。社会への興味・関心を広げ、視野を広げることが、これからの若者世代に必要となるもので、同時に、教育に携わるものがキャリア教育を考えるうえで必要な観点であると考える。
パネルディスカッション
8名のパネリストの自己紹介、職業に就いた経緯、その仕事に就くために必要なことなどを聞いてみました。
いろんなところから進む道があります
県庁職員・土木技師
喜元 亨 氏
お仕事を一言でいうと
県庁の仕事はいつも机の上に座ってパソコンの前で仕事をしているイメージがあると思いますが、私は土木という職種です。道路の工事現場にいって監督をしたりすることも仕事になります。一口に県職員といっても看護師や土木職員、農業の改良技師など、さまざまな職種があります。ですから、いろんなところから進む道があります。
どこでもニーズがあるお仕事です
薬剤師
岩崎 加根子 氏
お仕事を一言でいうと
どこでもニーズがあるお仕事です。製薬メーカーに勤めたことはありませんでしたが、自分にできることはなんでもやりました。一言でいうとお医者さんの処方箋に基づく調剤を主にやっています。
一言でいうと「なんでも屋」です
病院人事
能瀬 博之 氏
お仕事を一言でいうと
一言でいうと「なんでも屋」です。会社でさまざまな仕事をします。例えば、人事ということで採用面接を行ったり、学生に対しての会社説明会を実施したり、また社内ではホームページの作成や社内イベントの準備、運営も行っています。
僕の専門は「腹腔鏡手術」です
外科医
益滿 幸一郎 氏
お仕事を一言でいうと
外科医です。専門は「消化器外科」、手術で胃、腸、肝臓とか胆嚢とかを切っています。僕の専門は「腹腔鏡手術」です。
記事を自分で取材して書くこと
新聞記者
井上 喜三郎 氏
お仕事を一言でいうと
皆さん新聞は読んでいますか?新聞はいろんな記事が載っていますけど、新聞記者の仕事はその記事を自分で取材して書くことです。
事務所にあんまり幸せな人は来ません
弁護士
上山 幸正 氏
お仕事を一言でいうと
事務所にあんまり幸せな人は来ません。皆さん、困りごとを抱えて来ます。その困りごとを扱うのが仕事で、その中心は人間関係です。主に人間関係を扱う仕事が弁護士だと思います。
予備校の講師です
教育関連
一丸 雅勝 氏
お仕事を一言でいうと
予備校の講師で英語と社会を教えています。あだ名は「イッチー」です。予備校講師として必要なものはやはり学力なのですが、点数を取ることと人にものを教えるということは全く違うことです。
学校の応援団です
教育関連
劉 耕助 氏
お仕事を一言でいうと
仕事に就いたキッカケは振り返ると高校のときに吹奏楽部に入ったときです。教育というものを強く意識したのは大学の応援団時代ですね。仕事を一言でいうと学校の応援団です。
Q.今の仕事に就いたきっかけは?
親の意向を汲んで早い時期から努力した結果(弁護士・薬剤師・外科医)、就職活動の際にご縁があった(新聞記者・病院人事・教育関連)などのお話がありました。
Q.その仕事に求められる素養と能力は?
いわゆる就職活動を経て入社した新聞記者・教育関連・病院人事などの職種においては、それぞれの持ち場で努力する知的探究心やコミュニケーション能力が重要との意見が多く、医師国家試験・司法試験などの国家資格(弁護士・外科医・薬剤師)が必要とされる仕事においても、コミュニケーション能力は重要との見方が示されていました。
対話の時間
パネリストと中・高・大学生とがグループに分かれてのフリートーク。「その仕事(業界)に就職したいと思ったら、どんな大学・学部を目指せばよいのか?」「進学後、就職にむけてどのような準備が求められるのか?」など、本音で話しをできる対話の時間。参加者の方からいろいろな質問がありました。