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アパレルショップ店長

アグレッシブに!

木野田 淳(きのだ じゅん)

"やっぱりアグレッシブにいかないと!"

店内には、今トレンドであるブルーとホワイト、グラデーション、ボタニカル柄を組み合わせたコーディネートを始めとした、さわやかな洋服達が並んでいる。軽快な音楽が流れ、男女問わず気軽に入れる雰囲気は、私をわくわくさせる。お店の中にはお客様の顔、体型、雰囲気などからその人にとって一番似合う色、柄、スタイルを一瞬で見抜く店員さんがいた。
メンズの洋服のコーディネートはワンパターンになりがち。その問題を解決するために、流行を捉えたコーディネートの幅を広げていかなければならない。

アパレルショップ店長の流行調査術

アパレルショップ店長の流行調査術

――――仕事をしている上で気を付けていることは?

流行を押さえる上で一番わかりやすいのはドラマ。ドラマの中でのコーディネートは、その時代の流行を捉えていることが多い。実際、「○○さんみたいな格好してみたい。」という要望を受けることがある。その時、「こういうスタイルはどうですか?」と常に提案できる店員でいたい。
他のブランドも要チェック。休日に買い物をするついでに似たような客層がいるような店に入り、どのようなコーディネートをしているのか目を通し、競合店・ブランドのネットショップや動向をチェックする。
僕には妹がいる。仲が良くて、高校時代・大学時代には洋服のコーディネートを教えた。その経験から女性目線での好みを理解し、レディースの要素をメンズに取り入れたコーディネートが出来るようになった。だからこそたくさんの人に気に入ってもらえるようなコーディネートを提案することが出来る。
こうやって情報を集め、お客さんに安心してコーディネートを相談してもらえる店員になれるよう、日々努力している。

常にストイックに、上を目指す姿勢

――――仕事をやってみてのギャップは?

一見、好きな服を着て、人と喋って、洋服を売るという単調で簡単な仕事に見えるかもしれないが、アパレル業界は売り上げで評価されるシビアな世界。どんなに接客を頑張っても結果がすべて。そのギャップを乗り越えるために様々な接客パターンを経験し、失敗し、成長する。すると、接客の楽しさが分かってくる。自分もその壁にぶつかった。けれど、自分のコミュニケーション能力を信じ、ハングリーに6年間やってきた。

――――仕事に対する満足度は?

自分の仕事に対する満足度は30~40%、なぜなら、100%と言ってしまうと自分の接客能力もお店の経営も伸びないから。80~90%でも同じこと。テストで言えば、60~100%は可。30~40%は赤点ギリギリ。危機感を持って仕事していれば自分自身の接客や仕事に抜けがないか、もっと向上できる部分はないか見つけようとする意識が働く。「木野田さんはなぜそこまで自分にストイックになれるの」とよく聞かれる。その答えはお客様の存在。そして、感謝の心。お客様に、数多いお店の中で私たちの店に来ていただいていること。忙しい中、足を運んで買い物をしていただいていること。自分で働いて、貯めたお金で買い物をしていただいていること。そして、働かせて貰っていること。すべてのことが当たり前ではない。そういう心が原動力となる。

スタッフにとって刺激的な先輩になるために

――――尊敬する上司は?どんな先輩になりたいですか?

今の店に移動する前の店の店長は、1つ年上だった。その店長が、自分と違う接客のアプローチをしていた。この方法を見たことにより接客の質が向上した。
今は自分も、後輩が「こんな人になりたい」と思う上司になりたい。自分が刺激をもらって技術のレベルが上がったように、後輩たちにとって刺激を与えられる存在になりたい。

自分が働ける限りはこの仕事をしたいですね

――――これから何をしていきたいですか?

今自分は店長としての仕事をしている。そしてこれからは店長の1つ上の立場である、会社の経営をする立場になってみたい。そういった人たちがどのような考えをしているのか知り、クリエイティブなものを舵取りする。まだまだその目標に達するには時間がかかると思うが、そういう姿勢を持っておかないと上には上がれない。やっぱりアグレッシブにいかないと!

コーディネート

人生は何が起こるかわからない

――――読者にメッセージをお願いします!

高校時代、理系のクラスだったため、文系学部である第一志望だった教育学部を受験することが出来なかった。1年浪人した後、特にやりたいことがあるわけじゃないけど、大学に行かせてもらえるのなら、両親の卒業した鹿児島大学・農学部に進学しようと考えた。選択した農業経済学では、各農家さんに対して経営規模の調査のインタビューをする。その時の対話の仕方を考えると、今の仕事の根本である“人と会話する”こと。それが自分に合っていたと実感することができた。
大学に入学し、いろんなアルバイトをしてみたが、自分が好きな洋服の仕事をしてみたいと思い、実際にやってみた。それが今の仕事に繋がっている。
なんとなく生きてきた人生だけど、やりたいことをやってきた。だからこそ今がある。きっかけなんて何でもいい。どんな仕事でも、人に対する感謝の気持ちと、アグレッシブさを持ってこつこつやっていれば目標としている自分になれる。

取材2014年7月