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保健師

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坂上 詩恵(さかうえ しえ)

1988年生まれ 出水市出身。
出水中学校、出水高校、佐賀大学医学部看護学科を経て、看護師、保健師の国家試験合格。平成22年より佐賀大学医学部附属病院で2年間看護師として勤務。平成24年出水市役所へ保健師として入職し、現在に至る。

「信頼されている」と実感できた時が、
一番「うれしい!」と感じます。


看護系の資格の中で、いま一番人気が高いという『保健師』という仕事。以前、出水高校で『リアルしごとびと』に協力して頂いた坂上詩恵さんにお話を伺うために出水の街を訪ねた。

 

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予防と健康増進

保健師とは、「人々が病気になるのを予防し、心身ともに健康な状態で生活できるよう手助けする」というように、病気にならないよう予防や健康増進のためにアドバイス等を通して多くの人たちと関わる仕事だ。看護師が、病気を自覚している人を相手にする仕事に対し、保健師は、自覚のない人たちを相手にする仕事。「このままでは○○の病気になってしまいますよ。だからそうならないように今の生活の中で□□の部分を変えていきましょう」と生活習慣の改善を促す。専門的な知識はもちろんのこと、相手の自覚がない分、難しく、繊細な気配りが必要とされる仕事だ。働く場所として、市役所などの公的な機関で働く行政保健師、医療機関等で健康診断などを担当する医療保健師、企業の中で社員の健康管理等を行う産業保健師、学校で子供たちの健康に気を配る学校保健師などがある。看護師と比べると、保健師は結婚をしてからも仕事を続けている人が多いという。

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看護師から保健師へ

坂上さんは、市の職員として保健師の仕事にたずさわっている。人の身体や健康に関する仕事に就いたキッカケはお母さんだ。「私の母が看護師で、小さな時から看護師という職業を身近に感じていて、大学進学の際も自然と看護師になりたくて佐賀大学医学部看護学科を選びました。大学では当時、看護師と保健師の2つの資格を取得することができたんです」。大学卒業後、看護師として大学病院で働き始める。看護師として働きながら、命の大切さやその命の力強さを知ることができたという。そして2年経った頃、地元出水市の市役所で保健師の募集をしていることを知り、応募して採用された。「入院生活はその人の人生の中で短期間です。看護師の仕事の魅力を感じていた時期ではありましたが、退院した人たちが自分の住み慣れた地域に帰ってからも健康管理ができ、楽しく幸せな日々が過ごせるように支援したい!」と強く思ってのことだった。多くの糖尿病の患者さんのお世話を通して、生活習慣における予防の大切さを感じてのことだ。

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信頼されている実感

現在、出水市の保健センターが坂上さんの職場だ。様々な仕事に取り組んでいるが、その中でも特定検診や子供検診が主な仕事。特定検診では専門的なデータや数値を示して、これからその人の身に降り掛かってくると予想される病気を意識した食生活や運動など生活習慣の改善を促す。子供検診では子供の健康や発達状態だけではなく、母親の精神的ケアなども行う。共に状況に応じて医療機関との連携も取らなければならない。そして「話を聞き入念に情報収集し、相手の状況を把握すること。そして言葉を選び、気を配るというコミュニケーション能力も必要です」と坂上さんは話す。電話対応で一方的に不機嫌になられたり怒られたりすることもあるという。そんな時は相手の立場に立って辛抱強く聞くということを心掛けているとのこと。「私がお相手する方は健康に関することで連絡をくださる方なので、何らかの不安を感じているはずです。そんな方に信頼されてると自分が実感できた時こそ、私が仕事をしていて一番うれしいと感じる瞬間です!」
聞いていて坂上さんの仕事に対する真摯さが感じられる。最後に、これから取り組みたいと思っていることはありますか?と尋ねると、「別に特別なことはありませんが、街の人たちが楽しみながら暮らしていて、気づいたら病気の予防になってた、健康になってたと思ってもらえるようになればいいなと思います」と話す。その笑顔に、多くの人たちの信頼を自覚しながら働く彼女の『ちょっとした』自負を感じた。 

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取材:2016年6月