トップページ > 仕事を知る > 食や健康に関わる > フードコーディネーター

フードコーディネーター

食べ物にはケチりません!

藤村玲子(ふじむら れいこ)

人を幸せな気分にしてくれる美味しい食べ物にはケチりません(笑)

 

今年の春、北九州市でひらかれた食に関するイベントで、偶然出会ったフードコーディネーターの藤村さん、同じ鹿児島出身ということで意気投合。あらためてそのお仕事について伺った。

フードコーディネーター藤村玲子

料理、食べ物が好きだから

テレビの料理番組や食事のシーン、雑誌の料理ページの撮影現場で料理を作り、食器に美味しそうに盛りつけ、テーブルコーディネートを行う。また、飲食店や食品メーカーなど企業の商品開発やメニュー作りにも関わるというフードコーディネーターという仕事。女性にとってはあこがれの仕事だ。しかし藤村さんは、「大きな企業がたくさんあって、マスコミの発信地の東京や大阪なら仕事として成り立つかも知れませんが、フードコーディネーターの資格と取ったからといって、鹿児島で生活していくのは難しい」という。イメージと現実は違うものらしい。
そんな状況のなかで、藤村さんがフードコーディネーターとして活動しているのは、『料理、食べ物が好きだから』というシンプルな理由。
小学校3年生のとき、友達の家に遊びに行き、友達が弟のために器用にリンゴの皮をむいて、ウサギの耳の形をつくってあげていたのが印象に残っているという。それがきっかけで、食べ物や料理に興味をもち、家では台所をうろちょろするようになった。そして高校では、食物栄養科に進んだ。

フードコーディネーター藤村玲子

バスガイドと料理の共通点

しかし高校卒業後は東京でバスガイドの仕事をすることになる。「高校3年生のとき、わたし4者面談だったんです!」親は進学希望、私は就職希望でなかなか決まらず、進学指導の先生と就職指導の先生に相談にのってもらいました。最終的には藤村さんのの希望が通ったが、時すでに遅く、募集は限られいた。そんななか、いろんなところに行けて、美味しいものが食べられるという理由でバスガイドの仕事に就いた。
1台のバスに40名のお客様。「伝える」「話しをする」「接する」を平等にしなければならない。運転手に気持ちよく運転してもらう。先輩、後輩への気配りなど失敗しながらも多くのことを学んだという。「疲れを知らない若さがあったからこそできたのかもしれません。すべてが今の仕事に役立っています」と藤村さんは言う。
どんな人でも美味しいものを食べたら、幸せそうに見える。それに、作っている人が楽しそうに、オシャレに料理をしてたらなおのことだろう。
美味しいものを食べて怒ってる人がいないように、観光旅行にしかめっ面して参加する人もいないだろう、藤村さんには人の笑顔と縁があるようだ。

フードコーディネーター藤村玲子

食べ物に思い出をかさねる

「自然と食べ物の情報には敏感になってて、これは!と思ったら、どこにでも行って、見て、触れて、食べるようにしています」目で見るために、足を運び、お金を落とす。自分のお金を使うと、工夫が生まれ、知恵が生まれるという。自己投資も欠かさない。
いま、藤村さんは『TABELCO』というブランドを立ち上げ、郷土料理をヒントにして、「子どもの頃食べていた!という懐かしい感覚を今の子どもたちにも残しておきたい」という思いで、新しい食べ物を開発している。藤村さん自身がおばあさんに食べさせてもらっていた〈がじゃ豆〉シリーズが最初の商品だという。
今回お話を伺い、藤村さんなら、仕事の依頼先が少なくても、資格の知識と技術を活かして、食に関する新しい仕事をつくっていけるのではないかと感じた。

フードコーディネーター藤村玲子

 

取材 2014年11月