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社会保険労務士

社会保険労務士

江原 充志(えはら あつし)

1972年生まれ 徳島県出身 鳴門商業高校(現 鳴門渦潮高等学校)、鹿屋体育大学卒業。平成12年に独立開業し、現在に至る。

"人生いつからでもスタートできる!"

事務所を訪ねると明るい挨拶と笑顔で出迎えてくださった。「なまりが変わっているとよく言われるんですよ~」江原さんは徳島県のご出身。関西弁混じりの優しい口調からは気さくで親しみやすい雰囲気が溢れている。人と会社を元気にする専門家、社会保険労務士(以下、社労士)の江原さんにお話を伺った。

柔道との出会い

中学生の時に友達の誘いで始めた柔道。高校・大学と柔道推薦で進学する腕前で、一時はオリンピック選手を目指していた時もあったという。しかし大学で周りの友人の様々な価値観に触れ、視野を広げたい、という思いが芽生える。経歴から現在の社労士という仕事は想像もつかないが、柔道で得た「人との距離感や精神的強さ」が現在の仕事でも生かされているようだ。「柔道が人生の土台になっています。」江原さんのキャリアの根底には柔道という大きな存在があった。

決心した26歳・夏

柔道一筋の学生時代から一変し現在の職に至ったきっかけ。それは「独立したい、という強い思いがあったからなんです」と語った。体育大学卒業後は住宅や不動産の営業等さまざまな職種を経験する。その後、働きながらでも取得でき、かつ独立開業もできる職業として社労士を志したという。思い立ったら一直線の江原さん。「社会保険労務士になります!」と上司に告げ退職を決心。後戻りできない気持ちから当時は必死だったと語る。日中は仕事、夜に勉強というハードな日々を過ごしていた。ほぼ独学で一年間勉強を積み重ね見事27歳で合格。柔道一色の学生時代を過ごしてきた江原さんは「初めは勉強のやり方も分かりませんでした(笑)それでも、メリハリをしっかりつけることを常に心掛けていました」と語った。週に1回あるドラマを息抜きにし、眠たい時は寝る!というのが当時の江原流学習法だったようだ。

社労士という仕事

一つの会社がさらに発展していくためには、そこで働く人たちの職場環境や労働条件を整えることが必要である。そこで登場するのが労務管理の専門家である社労士だ。労務管理とは、経営者と従業員がお互い気持ちよく働くことができるよう、あらかじめ様々な約束事などを整備することである。
具体的には、給料計算や労働時間・休暇などの管理、就業規則の作成などを行う。また、近年の不況に伴い雇用形態が多様化し労働条件等についてのトラブルも増加している。そのようなトラブルに適切なアドバイスをするのも社労士の仕事である。時にはストライキの場面に立ち会うことも。その際心掛けていることは、「専門知識を生かしてというよりも、まずは相手の話をよく聞くことです」と語る。人の心にどこまで踏み込んでいけるかという感覚は柔道で得たもののようだ。他にも、助成金(国が援助するために支給するお金)や労災保険(労働者が仕事中にケガをした場合に出る保険)などの手続き、年金相談も行う。専門知識はもちろんだが、人との対話が多いため、依頼者に寄り添う姿勢が大事な仕事だ。

仕事の面白さ

「経営者と従業員が仲良くしている風景を目にするのが一番の喜びです」。職場環境や労働条件は社員のモチベーションを左右する。その中で社労士として会社の労務管理などの相談や改善に携わっていく。経営者と従業員の良好な関係は雰囲気の良い職場を生み、業務成績の向上へつながるのだという。このような様子が目に見え、実感できるところにこの仕事のやりがいや面白さを感じると語ってくれた。
そんな江原さんは現在、お仕事の傍ら大学院に通い労働と行政の関わり方について研究をされている。さらに、最近柔道も再開したという。新調した柔道着を照れくさそうに見せて下さった。常に挑戦し続ける姿勢に「人生いつからでもスタートできるんだよ!」という言葉がとても印象深かった。江原さんの前向きで明るいパワーを求めて依頼者はこの事務所を訪ねるのだろう。人と企業への熱い思いが、働く人々の明日への力に変わるのだ。

取材 2012年9月 No.8 しごとびと