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図書館司書

図書館司書

下荒磯 真弓(しもあらいそ まゆみ)

鹿児島市出身。河頭中学校、甲陵高校(現 明桜館高校) 鹿児島女子短期大学教養学科の司書コース卒業後、鹿児島女子短期大学附属図書館を経て2003年から志學館中等部・高等部の司書として勤務。現在に至る。

"本との出会いは人との出会い。
この記事を読んだらぜひ図書館へ"

今までどれくらい図書館を利用できましたか?私たちに新鮮な発見や感動を与えてくれる本との出会い、また、それらを通した人との出会いが生まれる図書館。司書として学校図書館で働く下荒磯さんに、奥が深い司書の仕事について伺った。

分類番号913!?

もうすぐ夏休みに入りますが、学生のみなさんへおすすめする本を選んでいただけませんか?と尋ねたところ、下荒磯さんが向かったのは分類番号913の書棚。『神去(かむさり)なあなあ日常』を選んでくださった。
謎の番号913。9は文学、1は日本語、3が小説や物語の作品を意味していた。司書ならではのチョイスは興味深い。本の紹介を通して、生徒を様々な角度からサポートするのが学校図書館の司書の役割と語る下荒磯さん。生徒が知りたい情報はどの分類の本に載っていて、その本はどの書架にあるのかを把握している司書にとって、本の背表紙についた3桁の分類番号は業界用語のようなものだった。大学や公立など大きな図書館になると、さらに細かい数字で分類されているそうだ。

分類番号913!?

司書の仕事は奥深く、幅広い

「選書はとても大きな仕事です」生徒・先生の希望や、新刊カタログの類を参考に、なんと1年間で千冊もの本を受け入れるという。『学習・情報センター』の機能を果たす学校図書館。その学校のカリキュラムに応じた資料を収集し、提供するのがその役割だ。「本の受け入れは、読みたくなるのを抑えながら、何十冊もひたすらフィルムを貼り印鑑を押します。単純作業ですが楽しいです」そう語る下荒磯さんの表情からは、大好きな本に囲まれて仕事ができることへの喜びが感じられる。
生徒が思わず足を止めて本を手にとるような工夫や雰囲気作りも大事な仕事だ。おすすめの本が生き生きと並べられていて、まるで書店にいるような感覚にとらわれる。「どの学校図書館もすごく楽しいし、司書の方も熱意あふれる方が多いですね。良い情報を惜しげもなく教えてくれますから、参考にしています」彼女が理想とする図書館、そして、そこで働く司書とはどういうものだろうか。

司書の仕事は奥深く、幅広い

狭き門をくぐりぬけ、司書一筋

短大卒業と同時に司書資格を取得した下荒磯さんは、一般教養や面接、小論文の選考を経て、高い倍率の中、見事、学校法人の司書に採用された。もともと本が好きだった彼女が司書という職業を志したのは、「中学生のときに今話題の映画『レ・ミゼラブル』の児童版を薦めてくれた学校司書の影響がありました」実は短大で司書実習に行くまではどういう仕事なのか具体的なイメージはなかったという。実習先で利用者からの質問に答えることができず、悔しさを覚えた。その時出会った司書の方の的確な対応に憧れ、目標ができたという。仕事を始めた当初は大変だったが、仕事の好きなところを書き出すなど、めげずに頑張った。その頃の気持ちは今でも変わらない。

おしゃべりから発見を得る

おしゃべりから発見を得る

図書館に一番精通しているのが司書である。生徒が本を探しに来れば、本を紹介してくれるし、一緒に探してくれる。生徒が興味を持った分野の本が足りなければ、選書のリストに追加する。「生徒のことを知らなければ、おすすめの本は選べません。おしゃべりから得たヒントを元に本をおすすめして、生徒からいい反応が返ってきた時が何よりも嬉しいです」そう語る下荒磯さんの現在の目標は、一人ひとりの生徒に色々な読書の楽しみ方を伝えていくこと。「本との出会いは人との出会い。だからこそ、図書館では気軽なコミュニケーションが行き交い、人と人がつながる場としてあり続けるようにしたい」と、下荒磯さんは今日も図書館で働いている。

取材 2013年6月 No.11 しごとびと