インテリアコーディネーター

田口 圭古(たぐち けいこ)

1967年生まれ 鹿児島市出身。吉野中、松陽高校、鹿児島純心女子短期大学卒業。
夫の実家の工務店を手伝いながらインテリアコーディネーターの資格を取得。
10年前に夫とともに独立し株式会社Sin工房を設立。専務取締役に就任、現在に至る。
鹿児島県インテリアコーディネーター協会副会長

" 光と色、素材の組み合わせで空間にいのちを吹き込む
それがインテリアコーディネーターの仕事なんです "

とある新築現場。照明、カーテン、家具などが『ここが私の居場所』と言わんばかりにしっくり納まっている。こんなに居心地よく、素敵な部屋を作り出す空間づくりのプロ、田口圭古さんにお話を伺った。

決めることがいっぱい

田口さんはインテリアコーディネーターでありながら工務店の経営者でもある。お客様と図面で打ち合わせをし、現場に「出向き、照明、設備などの位置確認まで行う。インテリアだけでなく、建築に関する幅広い知識も持っているのだ。家一棟の内装を完成させるには決めなければならないことがいっぱいある。壁紙、建具、設備、床材、照明、カーテン、家具など。「例えば、エレガントな感じがお好みなら、まず壁紙とカーテンをポイントにお話しします。壁紙は大きめの花柄を選んだり、カーテンは生地をたっぷりとって緩やかな曲線を描くように吊るすスタイルをおすすめしますね。モダンなテイストを重視するなら、まず家具から選んでいくとトータルコーディネートがうまくいきます」とすらすら答えてくださる。またお客様のお手持ちの物の量や動線を考えて適所に収納スペースを作るよう心掛けているそうだ。時には空間を広くとるため、収納のアドバイスもするという。「インテリアコーディネーターはデザイナーではないので常に調和を考えています。そしてその魅力は色・光・素材などを組み合わせて無表情の空間を表情豊かにできること。お客様がこれから長年住まわれる空間づくりのお手伝いができることです。その中で楽しく生活されているお客様を想像するとわくわくしますよ」と目を輝かせる。

センスよりも大事なこと

センスよりも大事なこと

「『あなたのことが信用できない』とお客様に言われたことがあるんです」。念のためにと思い、最終の壁の色を電話でお客様に確認したところ、田口さんとお客様との思っていた色が違ったのだ。何度も変更があった中で、お客様が最終の打ち合わせで決めた色を勘違いされていたのだが、田口さんも自分の説明が足りなかったと思った。直接お客様にお会いして、ひとつひとつ丁寧に説明をされたそうだ。
何かトラブルが起きたときのために、必ずお客様にご納得頂ける代替案を持っていくという。インテリアコーディネーターにとってセンスはもちろん大事。「でも、一番大事なことはお客様と信頼関係を築くこと。膨大な選択肢の中からお客様がご自身のライフスタイルに合った心地よい空間が作れるよう、導いてあげることなんです。そのためには日々アンテナを伸ばし情報収集に努め、お客様が納得されるまで説明すること。あいまいなことを言ってはいけません。そして心からの笑顔。完成後、あなたに色々アドバイスしてもらってよかった、と言われる時が一番嬉しいですね」という。そして、「こだわりのない仕事はしたくない」ときっぱり。かっこいい!

決めることがいっぱい

ずっと胸にあるもの

ご主人の実家が工務店を経営していた。仕事を手伝ううちに、「素人の私がお客様にアドバイスしているけど、これでいいのかな」と思い始めた。もっといいアドバイスをしたくてインテリアコーディネーターの資格を取った。今まで失敗はいくつもあった。カーテンの測り間違いだったり家具が収まらなかったり。「本当に冷汗は幾度となくかきましたよ。神頼みもしたりして(笑)」。だが経営者でもある田口さんは失敗ごともさることながら、事業を進める中で壁にぶつかることもある。そんなときはこう考えるそうだ。「その人にしか乗り越えられないことしかやってこない」と。この言葉がずっと胸にある。辛いことがあっても、自分がそれを乗り越えられるから、あえて試練を与えられているんだ、と信じて進んできた。「乗り越えたら必ず新しいことが得られますよ!」と明るくにっこり微笑んでくれた。田口さんの会社では健康住宅(自然素材を中心に安心安全な家)を目指している。従業員の方々も日々勉強され笑顔に満ち溢れた会社だ。お客様が健康でずっと笑顔でいられる住まい作りを目指し、田口さんはこれからも笑顔で奔走する毎日だ。

取材 2013年11月 No.13 しごとびと