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My履歴書(会社経営者)

職業 会社経営者 10947520_598921583575481_359864408_nprofile
氏名 坂西 義光
ふりがな ばんざい よしみつ
血液型 AB型 生年月日 1977年生まれ
学歴

東京都町田市立鶴川第二中学校
東京都立成瀬高等学校
多摩美術大学

職歴

株式会社キュリオシティ
株式会社ユニメディア
自家焙煎パパコーヒー 代表
合同会社フラッグス 代表

 

志望動機

鹿児島と都市部を比較したときに不足しているもの、いわゆる地域課題を営利事業で解決できたら、おもしろいしやりがいもあると考えたことがきっかけ。

読者へのメッセージ

僕自身は、本気でネットの力で地域はどうにかなると信じています。お金が地域に紐づかなくなっているという危機感を同じように持って、ネットでそれを解決したいと思う仲間が欲しいなと思っています。

仕事アイテム・満足度

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これは「僕の部屋」のようなもので、どこに行くにも持っていきます。全部入ってるんですよ!だから持っていると安心します。こだわりのバックでもなんでもないけど、安くて丈夫そうだからこれ!みたいな感じで購入した鞄です(笑)。鹿児島にきてから使うようになって、自然と必須アイテムになっていました。

今の仕事への満足度は100パーセントです。自分の描いた世界を追いかけるには本当に恵まれた環境にありますし、間違いなく一人ではなく、仲間がいます。仲間っていうのは、前職時代に快く見送ってくれたかつての同僚であったり、家族であったり。

 

 

はじまりは大学2年の頃に始めたインターンシップ

坂西さんは大学2年の冬に企業でのインターンシップをスタートし、大学卒業後そのままその企業に就職。たまたま同じクラスの友人から募集しているからやってみない?と誘われたのが、インターンシップを始めたきっかけでした。

インターン先は、今でいう楽天やネットプライス等を競合としているインターネットショッピングモールの運営会社でした。僕はコンテンツ制作の担当で、企業を取材し記事を書く作業や、販促用のメールマガジンを毎週発行するといったライティングの仕事をやっていました。

いわゆる「就職活動」といった活動はあまりしませんでしたね。Webや広告系の企業にエントリーシートを書いて送ったりはしましたけど。だから今の学生の方がかなり頑張っている印象があります。

 

―――学生時代のことや当時の就職活動の頃を振り返っていただくと、当時の自分にいくつか疑問があるそう。

当時の僕は、変な固定概念がありました。例えば「営業はやりたくない」とか。今の僕の持論は、新卒一年目は「営業は絶対やっとけ!」ということです。なぜかというと、お金に一番近いところにいるから。お金の流れが一番最初に見える、それが営業職。例えば技術がある人ってお金のコントロールはあまり得意でない人の方が多いと思います。技術があってもそれをお金に変えることまではなかなか上手くできないんですよね。

当時の就職活動を振り返ると、情報が少ない中で、なぜ営業は嫌だと決めつけていたんだろうと不思議に思います。今言えることは、とりあえずチャンスがあればやってみればいいじゃんということですね。

 

―――坂西さんに起きた二つの転機。学生時代からインターンをしていた会社を転職。その後鹿児島へIターン移住することに。

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知人からの一本の電話で転職を決めました。わりとこの頃は他力本願で物事が進んでいたように思います。主体的ではなかったけれど、周りが手を差し伸べてくれたから、流されてみるのもいいかなと。

転職先では、主にWebサービスをひたすら立ち上げていて、その中で一番大きかったのが”Webアクセス解析サービス”の立ち上げです。僕らがお客さんのデータを見ることで、このWeb上ではどんなことが課題で、どこからお客さんが見に来てくれて、どこで離脱しているのかといった情報を得るために、自社で立ち上げたアクセス解析ツールをまずは企業のサイトに導入してもらって、分析した結果から改善施策を導き出す。これがWebアクセス解析というものです。これによってサイト内と事業の両方の改善につながるデータを見つけることができるのは、きつくもあり楽しくもありの仕事でした。

入社した頃は創業4期目ということもあって、何でもやらないといけなかったですし、逆に何でもやりたいことができる、それがとても楽しかったです。

奥さんが鹿児島出身で、帰省してコーヒー豆の専門店を開きたいということで自分も一緒に鹿児島へ移住することに決めました。ただ、コーヒー屋をやるために鹿児島に行くというだけじゃ引っ越す動機づけとして弱いなと考えていたので、自分を納得させるためにシナリオを書くことにしました。鹿児島へのIターン移住をきっかけに何か小さくスタートしてみようと思いました

振り返ってみると東京時代は、お客さんである企業に対して、経営面とかサービス面で口出しをすることが結構あって。偉そうにいろんなことを言うんですけど、事業経営の経験のない自分が、他社の経営について色々言うのって何だかかっこ悪いよね、と思うことがありました。

鹿児島はごはんも美味しいですし、桜島も壮大。いいところだけど、都市部と比較したときに不足しているもの、いわゆる地域課題というものを営利事業で解決できたら、おもしろいしやりがいもある。これってかなりチャレンジングなことだと思ったのが、今の合同会社フラッグスを起ち上げるきっかけであり、自分を納得させるシナリオだったわけです。

 

――――”地域課題を営利事業で解決する”とは。合同会社フラッグスが課題としていること、将来的に取り組みたいことについても話していただきました。

例えば東京では20万円で受注できる仕事が鹿児島では数千円にしかならない。これって結構ショックなんだけど、市場の大きさも事業者の大きさも違うから当たり前なんですよね。自分自身の場合で考えても、東京を離れてそんなに時間が経っているわけではないのに、東京の頃と比べて同じ水準で仕事を受注しているわけではない。まさにこれこそが課題なんです。とはいえ、この状況を営利事業で解決できるかというとそう簡単ではないので、フラッグスでは具体的な地域課題を明確にするためのマインドマップを作成しています。

例えば、「経済の閉塞感」という課題。でもそれだけじゃ具体的な解決方法が見えないですよね。そこから「県外企業の進出」や「地元産業の元気がない」、「そもそも人々の仕事への意識があまり高くない」といった要素に分解していきます。こういった作業を納得いくまでやって、自分たちがやるべきことを明確にしていきます。

現在メインでやっていることはもともと前職での経験がある”事業者へのマーケティング支援”です。フラッグス自体はなかなか一言で説明できるような業態ではないですが、ネット企業でもなければNPO法人でもない、地域の課題解決ベンチャーというポジションを意識しながら仕事をしています。

ITが地方都市や地域に対してできることってたくさんあるなと思っていて。ネット社会に移行したことで、地域書店の競合がAmazonになった、等といわれるように、地方都市にとっては危機的な状況なのかなと思うところもありますが、逆にITで取り返すこともできると思うんです。

例えば、クラウドソーシングという不特定多数の人に業務を委託する新しい発注形態をとっているサービスがあります。これはプラットフォームサービスと言われていて、いわゆる手数料で稼ぐビジネスなわけです。こんな会社が鹿児島にもあれば、外貨となる手数料を鹿児島に引っ張ってこれますよね。だから”ITを活用して外貨獲得”というのは将来的にやりたいなと考えています。

 

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――――「基本的に休みはない、だけどめちゃくちゃ楽しいんです。」と笑顔で話す坂西さん。

今の仕事をしていて楽しいことは、自由にできることですね。お客さんへの提案内容も雛形をもとに考えるのではなく、一から自分で考えて提案しています。他にもいろんなケースに触れることができたり、いろんなお客さんと仕事ができるのは本当に楽しいです。逆に大変なことは、社員が少ないので自分たちで全ての仕事をやらなければいけないということです。だけど、そもそもやっていることが特殊だということもあって、思いに共感して、この仕事に没頭してくれる人を見つけることも難しいんですよね。やっぱり同じ熱量で、同じものを実現させたいと思える人が現れないと一緒にやっていくのは厳しいだろうなと。お金が地域に紐づかなくなっている危機感を同じように持って、それをネットの力で解決したいと思える仲間に出会えるといいなと考えています。

 

――――Iターン移住者ならではの目線でビジネスを展開していく坂西さんのお話。鹿児島はU・Iターン者が多いが、その中でも一人ひとり独立して動いている人は多い。すぐ隣で困っている事業者とつながれば、鹿児島発のおもしろい動きがもっと増えるのではないか、そんなお話も出てきました。

鹿児島での新たな働き方や周囲の支えに加え、明確な課題意識を持って仕事に取り組むことにどんな意味があるのか、突き詰めて考えていくことが坂西さん自身の原動力になっている、そう感じる時間となりました。

 

取材 2015年1月 飯福あすみ